【概要】
呀の派閥には「呀流拳法」と呼ばれる戦闘の教えが存在する。これは、あらゆる獣人の戦闘力を一定まで引き上げることを目的としたもので、呀の派閥の構成員にはこの教えに則った戦い方が推奨されている。
これを身につけることで、特別な能力を持たない獣人でも、戦士として戦う力を得ることができる。
そんな「呀流拳法」は呀の派閥の幹部である九呀獣勇士達の手により多くの流派が誕生した。その中で今回解説する「呀駪流」は、歴代の馬勇士や現馬勇士ヒュロ・ヒヒンが生み出した流派であり、通常の「呀流拳法」と比較すると威力が低い代わりに速度や耐久性を磨き上げた技が多く存在する。
【通常技】
壱式 疾風馬濤
「風よりも速くその先へ…!」
錬成した獣氣を脚部に集中させ発動する技の一つ。走る速度を上昇させる。速さ自慢の獣人が習得すれば音速をも超える。
弐式 馬掃蹴
「そこのけそこのけお馬が通る。」
呀衝脚の派生技。通常の呀衝脚よりも威力は劣るが、見にも止まらぬ速さで蹴り技を繰り出すことができる。(うまそう様原案命名)
参式 十馬万力
「馬力が違う!」
呀衝拳の派生技。通常の呀衝拳より衝撃波の範囲が狭まるが、獣氣を溜め続けることができ、溜めた獣氣を解放し威力の高い打撃を繰り出すことができる。(ゼロ様命名)
肆式 無事是名馬
「能力が多少劣っていても、怪我なく無事に走り続ける馬は名馬である。」
呀衝纏と呀流丹の派生技。攻撃を捨て護りと耐久に専念した技。発動すれば倒れることなく三日三晩相手の攻撃から耐えることができる。少しずつ肉体回復も可能。撤退する時などに使用すれば、全員撤退の確率が格段に上がる。この技の使用時に攻撃技は一切使えないため注意。
伍式 併せ馬
「競い合う相手がいてこそ!」
疾風馬濤の派生技。仲間や競い合う相手がいればいるほど走る速度が上昇する。集団で効果の発揮させられる技。集団で走り相手を撹乱することもできる。
陸式 旋回月
「回る月。」
馬掃蹴の派生技。目にも止まらぬ速さで回転し蹴りを繰り広げる。回転の勢いで衝撃波を生み出すことも出来る。回転していれば全て旋回月判定なので、回し蹴り、後ろ回し蹴り、旋風脚など人によって蹴り技の種類が変わる。
漆式 攫奪無間
「あなたを攫いに馬がくる。」
錬成した獣氣を集中させ構えて発動する技の一つ。構えをとった直後に相手を攫い、その後固め技や関節技に持ち込む。(ゼロ様考案)
捌式 斜行王
「我が道をゆく。」
疾風馬濤の派生技。目にも止まらぬ速さで相手の前に踊り出たり、タックルをかましたり、ジグザグ走りで撹乱する。
玖式 背脚凶
「馬の後ろに立ってはいけません。」
馬掃蹴の派生技。背後の相手に素早くも威力の高い後ろ蹴りをぶちかます。呀駪流の技の中で最も攻撃力の高い技。ヒュロノメファームの面々の背後に不用意に近づいてはいけない。(ゼロ様命名)
拾式 神馬超越
「恐れおののけ、その神馬の前に。」
呀衝波の派生技。「気合」「威圧」「殺気」「闘争心」などといった様々な感情を、錬成した獣氣とともに解き放ち発散させることで、相手を威圧し気絶させる。感情の昂りと錬成した獣氣の量に応じて範囲は広まる。あくまで相手を威圧し気絶させることに特化させた技であるため、攻撃力は皆無である。
【番外】
奥義 緑の刺客
「"緑"の主役が今動く。」
錬成した獣氣を全て使い、気配を消し相手の背後に一瞬で迫る技。ヒュロノメファームは足の早い獣人が多いが、ヒュロ自身はそこまで素早くない。そんな彼女が攻めも守りも全て捨て、相手の死角に迫ることだけに特化した技である。技の性質上、相手に知られていると警戒されるのでまさに奥義、最後の切りふだである。
零式 奇跡血量
「奇跡の血統。」
呀流丹の派生技。特定の血統の獣しか使うことができない超回復技であり、重体の身体もすぐに回復出来る。どの血統の獣人が使えるのかはヒュロノメファーム内の医療班が調査しているが機密情報である為、部外者がこの技の仕組みを知ることは出来ない。しかも直属の戦士の中でも、血筋の関係で限られた者にしか伝授されることはない。
拾壱式 邪々馬
「血夷武!飛幽露乃滅!」
洗練された「型」の先にしか「型破り」は存在しない。「型」のないものの型破りは「形無し」に過ぎない。
型を突き詰めたヒュロはいよいよ型破りの技を生み出そうとした。当馬なりに真面目に考えた結果…ヒュロノメファームは1年間ヤンキーとなった…えっちょっヒュロさん?!
そういえばヒュロの得意とするパンクラチオンは、眼球への攻撃・噛みつき以外は"すべて認められた"という競技だ。この技はそんな"すべて"がこめられた技となった…らしい?